Malaysia

本当の「冒険」を始める。ツアリストがいない山奥へ。鍵がない家に泊まる。

本当の「冒険」を始める。ツアリストがいない山奥へ。鍵がない家に泊まる。

今日は、ホステルを出発して、Kota Beludへ向かう日。いつものように起床して、シャワーを浴びる。Kota BeludはKota Kinabaluからバスで1時間30分で到着する小さな町。そこは、山々に囲まれている集落的な感じの小さな小さな町。

 

宿泊しているホステルからの景色。

宿泊しているホステルからの景色。

 

僕は、今日そこへ行く。本当は当初のプランでは全く考えていなかったんだけど、KLのホステルで出会ったSufiからすばらしい冒険の話を聞いて、それにたくさん刺激を受けてしまい、彼のおすすめするKota KinabaluとKota Beludを行くことにしたって感じ。

 

 

荷物を支度してから、KFCへ栄養補給

今日は鼻水が出るし、喉がすごく痛い。だからおそらく何かの風邪かコロナにでもなってしまったのかと思ったり。だけど、そんなことにへこたれずに、KFCへ栄養補給。Sufiによると、Kota Beludにもあまりものが売っている感じがしなくて、集落に到着すればそこはもうなにもないとのこと。だから、たくさん栄養補給して、ものを予め買っておいたほうがいいとのことだった。それで、僕はKFCでお昼ごはんを食べる。今日、起床したのも朝の10時で、けっこう遅い。Kota Beludには13時くらいに到着すれば十分かなと思う。

 

 

ついにバス停留所に到着!そして、Kota Belud行きのバスへ乗る

バスの停留所はどこかなってすごく不安だった。だけど、Sufiが空港でその情報を教えてくれて、僕はそこの場所をピンしていたので、すぐに行くことができた。

近くの薬局で、抗菌薬のアジスロマイシンを買おうとしたんだけど、どうやらマレーシアでは処方箋がないといけないのか、「売っていない」と言われたので、水だけ購入することに。

そして、近くの停留所へ到着!バスには、Kota Beludと書かれているバスがあったので、そこへ近づいてみると、「Kota Beludへ行くよ」とおじさんが言ってくれて、ミニバスに案内してくれた。そこには、4人ほどもう人が乗っていた。バスというより、本当に小さなミニバンという感じだった。そこで僕は30分くらい待って、20リンギットをお支払いして、Kota Beludへ向かった。

 

 

外の景色はとってもきれいだった

改めて、Kota Kinabaluの景色はすごくきれいだった。リゾート地といわんばかりか、椰子の実がたくさんあって、そこの近くには水色のビーチ。そんな風景をミニバンの窓から見る。とっても綺麗だなぁと思う。バスは1時間30分かけて、山の方へ向かう。その途中の景色も、なぜか日本を思い出してしまう感じで、自然がすごくたくさんだった。

 

 

やっぱり、人間は外で生活していた生き物だからこそ、緑を見ると、本当に癒やされるのかなぁとか思いながら。

 

 

Kota Beludへ到着!

いつのまにか、SHUREのイヤホンをかけて音楽を聞いていたら、目的地に到着した。そこは、本当に田舎町で、本当になにもない感じだった。もちろん、レストランはあるけど、そこは一つの小さな集落という感じの印象だった。

僕は到着してバスを降りるやいなや、すぐに近くにいた人に話しかけられて、何人なのかを聞かれた。僕は日本人だと答える。それで、滞在先の場所も聞かれたので、それを答える。

 

 

僕は、いつも注意深く、疑い深く対応する。なぜなら、こういう人は「営業・ビジネス」系だからだ。お金を得るために、君の集落まで連れて行ってあげるよって言うばかり。彼は、僕がタクシーを見つけるというと、「いいね!」と言っていた。だけど、タクシーを見つけられなかったら、15リンギットで連れて行ってあげるよと言われた。だけど、僕は正直、怖かった。見知らぬ人の車に乗るということは、咄嗟にその人について判断しなければいけない。

この人は、どういう人か?人身売買をする人か?お金を取る人か?あるいは、すごくいい人なのか。

僕は、たくさんの経験や人間観察の経験からだいたい分かる。だから、その直感に従っている。だから、今回の誘いは断ることに。

 

 

Kota Beludの口コミの多いレストランへ行く

せっかくなので、歩いてKota Beludを散策することに。散策といっても、本当に小さい村なので、見るところがない。だけど、とりあえずセブンイレブンやバザー、レストランはありそうだった。口コミの多いレストランを目指して歩く。今日はとっても日差しが強くて、とても暑い。レストランへ到着すると、そこにはたくさんのマレー人の人がいた。

一人の若い女の子は、目を輝かせて、僕にすごく興味を持ってくれている感じだった。ローカルって、こんな感じだからすごくいいなぁって思う。みんなすごく優しいし、とても純粋。

 

 

ローカルの場所へ来ることの重要性、そして、すばらしい経験になるということを悟った。

レストランでは、メニューがありすぎて、どれを選んだらいいかわからないので、とりあえずチキンとライスのメニューをオーダー。それから、ライチのジュース。すべてメニューはマレー語なので、全くわからない。だけど、英語を話してくれることだけはありがたかった。店員さんに、どこ出身なのかを聞かれて、日本出身ということを言ったり。

テーブルで一人でランチを食べる。周りのお客さんの一人は、「彼はどこから来たのか?」と店員さんに聞いていた。マレー語でも、ジャパニーズというふうに言っていたですぐにわかった。

店員さんに頼んで、Kota Beludに来たぞ!みたいな感じの写真を撮影してもらった。こういうことができるのも、ローカルの魅力。みんなとっても純粋だし、すごく温かいなぁと感じる。

 

 

食べ終えてから、Sufiが言っていた、Kota Bleudの街で食べ物を買っておいたほうがいいよということを思い出し、ヌードル系のご飯をお持ち帰りで注文することにした。おばさんにそれを伝えた。

そして、会計のときも若い女の子はとっても僕をギラギラした目で見てきたので、マレーシアの方々もすばらしく、いきいきしているなぁと感じた。最近の日本人の若者は、「目が死んでいる」人が本当に本当に多い。だけど、マレーシアではローカルな田舎でさえ、みんなすごくいきいきしていて、小さいことを気にしていない感じが読み取れた。これは、やっぱり魅力的だなぁと思う。その女の子も、自分が置かれている環境(田舎で、賃金が低い生活)に文句を言わずに、笑顔で働いている事実。これは、本当に誇らしいものだなぁと思う。

 

 

水をストックしてから、歩いていくことを決意

レストランで食べているときに地図で調べたら、どうやら1時間くらい歩くらしく、合計で6キロだった。別にそんなにきついことではないかなと感じる。それで、僕はセブンイレブンへ行き、歯磨き粉と水2本、大きな水1本を購入して、それらを担いであるき出す。

ひたすら歩く。

 

 

ひたすら歩き続ける。坂道が多いかというと、そういうわけではないんだけど、本当に田舎道のようで、ところどころに家があったりと言う感じ。僕は帽子を被って、ひたすら歩く。ところどころで、クラクションを鳴らされたり、話しかけられたりして、「どこに行くの?乗せてあげるよ」という感じで言われたりしたんだけど、自分で思うのが、「こんな6キロも歩けないやつに、冒険する資格などない」という考えだった。こういう苦難を乗り越えるからこそ、そこには宝がある。それを思い出し、優しいだろう人々の提案を断り、ひたすら歩く。僕は、歩いている途中、誘拐されないかとかそんなことで少し怖かったり。

なんせ、歩いている人は誰一人いないんだから。

 

 

前に黒色のミニバンが止まる

僕がずっと歩いていると、前に黒色の車が停車する。僕は、「またかぁ」と思いながら、素通りしようとすると、その人は顔をみて良さそうな人に思えたので、歩み寄ってみる。どこに行くの?と聞かれたので、近くの村だよっていう感じで、Googlemapを使って説明する。彼は、どうやら「誘拐」や「強奪」しそうな人ではないとすぐに、話し方や言葉選びからわかったので、お話してみる。そして、車を見ると、果物がおいてあったり、悪そうな人ではないと思った。彼は、乗って乗って!ってすごくフレンドリーに僕を車に乗せてくれた。正直、僕は車で行きたかった。だけど、タクシーを呼んでも、そもそも存在しないので、歩くしかなかった。

 

 

だから、彼の提案や優しさには感謝しかなかった。とても嬉しかった。車に乗って、僕をホステルまで連れて行ってくれるだとか。でも、まずは彼の友達の家に行きたいらしいので、そのホステルよりももっと奥の道をドライブしていた。ちょっと怖かった。このまま遠くへ連れて行かれたらどうしようって。だけど、僕はなんとか安心させて、その人とお話をしていた。その人は奥さんや子供もいるらしくて、日本にいつか行きたいっていうお話をしたり、僕がどこの地域に住んでいるかをすごく興味深く聞いてきた。そのおかげで、僕の心はすごくホッとした感じだった。友達の家に到着すると、彼は車を降りてその人と会話をしていた。僕に対して、全く疑いを持っていないので、その時点で、本当に優しい人なんだなぁっていうことを感じた。

その友達も後ろにのって、僕たちは僕の宿泊する村まで連れて行ってもらった。

そこへ無事に到着してから、彼の友達は僕の宿泊所に誰もいなかったのでわざわざ電話をしてくれた。そして、オーナーの奥さんが来てくれて、僕を案内してくれた。

こんなことがあってもいいのかってくらい、幸せだった。車に乗る前に、「いくらですか?」って聞いたら、そんなのいらないよって言われたり。どうやら、彼はホステルを営業しているらしく、僕にちらしをくれて、彼の運営しているホステルを見せてくれた。最後に、僕は一緒に写真を撮影して、今度マレーシアに来たときは、あなたのホステルへ行きますっていうことを伝え、僕の名刺を渡して、ばいばいした。

 

 

こんな人間ドラマ、とっても素敵だなぁって思った。

ここで、大きな課題が「見知らぬ人を信じる勇気」。これに尽きる。瞬時に判断しなければならない。これがとっても大事だなぁと思う。

 

 

僕が宿泊する場所は、竹でできた場所だった

そこは、本当に人間らしい場所だった。僕が宿泊するのは、本当に小さな一戸建てのロッチのようなもので、竹でできていた。普通に壁に隙間がたくさんあって、夜はきっと風があって涼しいだろうなぁって。それに、上には蚊帳が吊るされていて、蚊が内部に入ってくることを防ぐものだった。小学校のマラリアについての授業を思い出した。僕は、こんな野生的な宿に宿泊するのは人生で初めてなので、本当にワクワクしかなかった。

 

 

トイレに行くのも、スリッパを履かなければいけない、とっても不便。それに、扇風機しかなく、クーラーという現代的なものがない。こんなところを僕は探していた。改めて、こういう経験を促してくれたSufiには感謝しかない。本当にありがとう。近くには牛や鶏、犬などのたくさんの動物がいて、すごく可愛かった。

やっぱり、動物って好きだなぁと感じる。こんな自然の中で、ゆったりとした時間を過ごすことができるのは本当に幸せだなぁと感じる。近くにあるビーチチェアに座って、本を読んだり、ただひたすら自然を眺める時間。それが本当に素敵な時間だった。空気もとっても美味しくて、こんなところに住んでいたら、すごく生き生きするだろうなって感じる。だけど、周りにはなにもすることがなかったので、とりあえずお昼寝をすることにした。

体調も優れているわけではないので、お昼寝をして体調を元に戻すことに。

 

 

ホームステイのオーナーと一緒に夜ご飯を食べる

僕は、ホームステイ先のチャットで、「どこかご飯を食べれるところはありますか?」って聞くと、そのおじちゃんは「あと20分で到着するから待って」と言われた。どうやら、奥さんによると彼はKLに行っていて、今日帰ってくるだとか。Booking.comで予約した場所なのに、こんなにフレンドリーに接してくれるのはやっぱりローカルの魅力だなぁって思った。ここまでフレンドリーな体験をしたことはいままでないもん。東南アジアは治安が悪いというのは、テレビによる印象操作であって、全く治安は悪くないと感じる。みんな、とてもいい人たちばかりだなぁって思った。僕がボイスメッセージの返信をしていると、オーナーらしき人が帰ってきて、僕のところに来てくれた。

それで、一緒に夜ご飯を食べに行くことに。彼は、僕を近くのレストランへ連れて行ってくれて、そこでヌードルの夜ご飯を食べた。一緒に飲んだコカ・コーラはとっても美味しかった。

彼は、普段ここの運営をしたりとか、クリーニングサービスをしたりしているらしい。それに、日本人はよくここに来るかと聞くと、あまり来ないけど、前に日帰りでここに来たことはあるよということをいってくれた。だから、僕みたいに一人でこんな田舎に来る日本人は相当いないんだなぁと思った。それだけでも、すごく嬉しかった。

 

 

それに、今度来るときは3泊しなきゃねっていうことを言われたので、今度来るときは3泊しようと思う。どうやら、ホタルを見ることができたり、川下りの旅があったりするらしい。めちゃくちゃ楽しそうじゃんと思う。僕たちはお腹いっぱい食べることができて、ホステルへ戻る。どうやら、今日あったことをおじさんに伝えると、すごくラッキーだったらしい。普通、Kota Beludから集落へ行くのは10リンギットかかるらしいだとか。

だから、僕はそれを聞いてすごく嬉しかった。明日の朝は、おじさんが屋台に連れて行ってくれるらしく、朝の8時に出発とのこと。ここまで良心的な宿泊所はないなぁって思う。でも、これはローカルだからこその魅力だなぁと感じる。夜、空を見上げると、星がとってもきれいだった。たくさんの輝く星を見れたのは、エレーナと年を一緒に越したあの場所以来だなぁと思う。

 

 

僕は、いつのまにか「旅行する人」「ノマド」ではなく、「旅人」になっていた。それがすごく嬉しかった。とにかく歩いて、重い荷物を担いで冒険する。そんな旅人。僕は旅を通じて、すごく成長したなぁと感じるし、コミュニケーション能力や初対面の人にも普通にお話することができるようになったことがすごく嬉しかった。冒険することや、一歩踏み出すのはとても大きなエネルギーや勇気がいる。だけど、その先で得られるものは計り知れない。それを、今回Sufiとの出会いによって得ることができた。本当にありがとう。